私は2013年8月から10ヶ月間，アメリカのネヴァダ大学のリノ校に留学しました。高校生の頃，異文化交流を通して自分の世界観を広げると同時に，英語を習得したいという思いでアメリカに1年間留学しており，その時に「海外に日本の耐震技術を伝える」という目標をたてました。夢の実現には専門分野である地震工学について英語で勉強する必要があると考え，この留学を決意しました。

大学選びにあたっては，アメリカの中でも工学のレベルが高く地震工学の研究に力を入れている大学をピックアップし，自分の条件に合ったネヴァダ大学を選択しました。私は学生寮に入るつもりでしたが，寮はすべていっぱいで一人暮らしをせざるを得ない状況でした。1人で住居を探すのは非常に大変だったので，留学をする前に大学周辺の住環境について先輩方から情報を得ることをおすすめします。食事は学内で様々なものを買うことができましたが自分の口に合うものがなく，毎週末友人と1週間分の食料を調達して自炊をしました。

ネヴァダ大学は総合大学なので様々な科目を履修することができます。盲導犬の授業や保育の授業など，幅広い分野で自分にあった授業を選択できます。私は専門である地震工学に重点をおき，前科5教科，後期4教科を受講しました。予想以上に英語での授業は大変で，理解に苦しみました。毎日深夜まで学校にこもって課題をしたり，先生に質問をしにいっても罵倒されて聞く耳を持ってくれなかったりと精神的につらい時期もありました。しかし，あの時のがんばりがあったからこそ今しっかり専門分野が身についているのだと感じます。

最も印象的だったのはプレゼンテーションの授業です。クラスメイトとお互いに意見を言い合う授業ですが，最初は自分の意見を英語で伝えることが非常に難しく，友人に助けてもらうことが多かったです。しかし授業を重ねるごとに自分の英語が流暢になっていくのを実感できました。自分の専門分野の授業も大切ですが，それ以外にも面白い授業はたくさんあるので，分野に縛られず広い視野を持って授業を選択することをお勧めします。

言葉の壁や慣れないアメリカでの生活につらさを感じる人は少なくないと思います。そんな時，いつも支えとなったのが周りの友人でした。留学を決意したのは自分ですが，留学生活を自分一人の力でやり遂げることはできません。切磋琢磨しあってよい環境をつくり，自分の素直な気持ちや考えをしっかり理解してくれる友人を作ることは非常に大切だと感じました。また留学中は，「なんでも挑戦する」「日本語は話さない」という目標をたて，常に心がけるようにしていました。留学に行ったからといって，誰もが充実した生活を送れるとは思いません。私はより良いものにするために多くのイベントに参加し，極力英語にしか触れない環境を作りました。また，日々の生活の中で，失敗することを恐れずに，そこから何かを学ぶつもりで，小さなことでも何でも「挑戦すること」をし続けました。

私の留学生活は正しかったかは分かりませんが，アメリカでの生活は間違いなく充実していたし，自分の夢の糧になったと胸をはって言えます。これから留学される方は自分で定めた目標を日々忘れず挑んでください。留学は人生において大きな経験となることは間違いありません。

 

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（掲載日：2015年3月2日）