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タフツ大学
International Student and Scholar Advisor, Internatiolnal Center

パトリック・ハイムズ さん

金沢大学では、事務職員のグローバル化の一環として、本学重点交流校へ職員を派遣するプログラムを開始し、平成27年度にはタフツ大学(アメリカ)とゲント大学(ベルギー)へそれぞれ2名の職員を派遣しました。相互の交流が重要であることから、今年度から交流校の職員を受け入れるプログラムも開始しました。第一号として、タフツ大学International Centerで働く事務職員のPatrick Himes(パトリック・ハイムズ)さんが、本学で約1週間滞在しました。

-日本に来るのは初めてですか?

いえ、東京には2回来たことがありますが、金沢は初めてです。東京都は全然違いますね。美しい街で気に入りました。にぎやかな繁華街もあれば、角間キャンパスのように静かで良い感じのエリアもあるのが良いです。

-金沢大学のキャンパスの印象はいかがでしょうか?

とてもきれいで、緑豊かなキャンパスですね。広いけど広すぎないキャンパスだと思います。何がどこにあるか覚えやすいつくりなので、うろうろしても迷子になる心配はありませんでした。各地区を結んでいる橋(アカンサスインターフェイス)もあって、とても歩行者に優しいキャンパスだと思います。また、キャンパスが起伏に富んだ土地に建っているので、キャンパス内に高低差があって面白いです。すみれ亭からの景色も素晴らしかったです。タフツにはあのような景色はありませんから。それと、学食も安くて美味しかったです。

-研修でタフツ大学に行った職員から、学食がビュッフェ形式で12ドルもしたと聞きました。

そう、とても高いんですよ。だから学食には行かずランチを持参しています。

-Patrickさんはタフツ大学でどのような業務をしているのですか?

外国人留学生や外国人研究者に対して、入国管理関係の支援を提供しています。5~6月はとても忙しいです。秋に来る新入生、300~400人分の書類を準備しなければいけません。また、卒業する学生が労働許可を申請したり、在学生がインターンシップの許可を申請したりします。教員も含め外国人研究者は年間を通じて受入れがあります。

-どのようなきっかけで、タフツ大学で働くことになったのですか?

大学卒業後、Peace Corps(平和部隊)のボランティアとして、キルギスで2年間英語を教えていました。その時に、異文化間でのコミュニケーションの取り方を学び、自分はいろいろな国の人々と関わることが好きなのだと気づきました。帰国後はペンシルバニアで全く関係ない仕事に就いたのですが、仕事が合わず、不本意な毎日を送っていました。そこで、キルギスでの経験を無駄にしたくないと思い、ボストンにある大学で、国際関係の修士号プログラムを受けることにしました。この選択は大正解でした。大学で働きたいと思ったのは、人と接するのが好きで、性に合っていると思ったからです。最初は、International Centerのインターンになり、8ヶ月後に正規職員として採用されました。

-まさに天職ですね。さて、本学のスーパーグローバル大学創成支援事業の目玉のひとつである、「金沢大学スーパーグローバルELPセンター」はタフツ大学のご協力のもと運営しています。ELPセンターの学生向け授業を見学されたそうですね。

はい。ジェイミー先生(※1)の授業はとってもアクティブでした。その日のトピックはエッセイライティングだったので、言ってみればそれほどわくわくするようなトピックではなかったにもかかわらず、ジェイミー先生が楽しい雰囲気をつくってくれるので、学生たちは活発に発言したり会話したりしていました。私もキルギスで英語講師をしていましたが、こんなに楽しい授業ではなかったです(笑)。ジェイミー先生も、学生たちがどんどん活発になっていると言っていましたよ。ちょうど、短期プログラムで金沢大学に来ているアメリカのリーハイ大学(本学部局間交流協定校)の学生6名も授業に参加していました。英語の教師を目指している彼らにとっては、学ぶことがたくさんあったのではないでしょうか。このように、英語の授業にいろいろな国の学生が参加すれば、より授業が活発になると思います。それに、学生たちは言語だけでなく文化も学ぶことができます。また、アカデミックな部分以外でも、日本人学生と外国人留学生が友達になるきっかけにもなると思います。現在、タフツ大学から交換留学来ている学生と会ったのですが、金沢大学での生活をとても楽しんでいて、同じ留学生の友達もたくさんできたそうなのですが、日本人の友達を作るのは難しいと言っていました。なので、日本人学生と外国人留学生が交流する機会を増やすことは大事だと思います。

-今年の3月には附属図書館3館に「国際交流スタジオ」(医学図書館では「国際交流コーナー」)がオープンしたので、そのような場所も積極的に活用できればと思っています。本学もタフツ大学のように多くの留学生を受入れることを目標としています。留学生獲得のためにしている取組などはありますか?

学生募集においては、外国人卒業生との協力に力を入れています。例えば、一人の担当者が、マサチューセッツ州とニューハンプシャー州と「中国」を担当する、といった感じです。タフツで良い経験を得た外国人卒業生は、現地の高校と関係を築き、タフツのプロモーションを行ってくれます。私の上司が4月にロンドンへ行き、外国人卒業生の大きな集まりに参加しました。主な目的は、卒業生同士のネットワークの強化を支援することです。ヨーロッパ及びその他の地域から来た50~60人の卒業生に会い、彼らの多くは卒業後とても成功しているそうです。彼らは、大学の評判やブランド力を上げるのに貢献してくれる存在なので、卒業生との良い関係を保つことが重要です。

-本学でも、平成26年度に「コラボラティブ・プロフェッサー制度」を策定し、海外の高等教育機関等で研究・教育職に就いている同窓生を「コラボラティブ・プロフェッサー」に任命して、学生のリクルートや国際共同研究の推進にご協力いただいています。この輪を拡大していくことが重要なのですね。受入れた留学生のサポートについては、どのような点に力を入れていますか?

多くの留学生を受入れるにあたっては、学生支援、カウンセリング、食事の提供など大学のすべての側面のことが重要なファクターになり得ます。そして、それらには大学のすべての部署が関わっています。例えば、私たちは留学生がこちらに来る前から、入国管理に関することなどで多くのコンタクトを取ることによって彼らを支援し、彼らと良い関係を築くよう努めています。また、タフツには約10人のカウンセラー(メンタルヘルス)がおり、忙しく業務にあたっています。タフツ全体の3分の2の学生が、学生生活において1度はカウンセラーのお世話になっておると思います。アメリカではカウンセリングに行くことは全くおかしいことではありませんが、文化によっては、それが適切ではない、それどころか恥ずべきことなのではないかと思ってしまうようです。なので、そのような留学生に、アメリカにおいてはカウンセリングを受けることは当たり前であることを理解してもらい、これらのサービスを活用してほしいと思っています。

-本学でも、昨年10月から保健管理センターに英語で対応できるカウンセラー(※2)を配置しました。留学生にも気軽に相談に来てほしいと思っています。

あとは、留学生をたくさん受け入れている日本の他の大学の事例や、我々タフツ大学との交流から学ぶことも良い方法だと思います。タフツ大学で研修を受けた金沢大学の職員や、金沢大学に来るタフツ大学の職員は素晴らしい知識の源です。留学生にとっての問題は、その国の様式に慣れ過ぎている受入れ大学側では見過ごしてしまうことも多いです。なので、このような交流の機会は非常に役立つと思います。

-そうですね。今後も実りある交流を続けていきたいと思います。それでは、最後の質問です。学生、教職員の英語力を向上させることも、本学SGU事業の重要な取組の一つなのですが、英語力をアップさせるにはどうしたら良いでしょうか?

元英語講師としてもっとも大切だと思うのは、英語を使うことを恐れず、間違うことを気に留めない、ということです。英語は間違いがたくさんあっても、内容を理解してもらいやすい言語だと思います。なので、たくさん話して、英語を話すことに自信を持てば良いと思います。

-なるほど。正しくないと通じないのではないかと杞憂せずに、とにかく話すことが大事なのですね。今日はありがとうございました!

 

(2016年5月取材)

※1 ジェイミー・ローゼンバーグ先生のインタビューはこちら

※2 留学生対応カウンセラーのインタビューはKU-SGU通信 Vol.6に掲載されています。

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