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伊藤大将_顔写真

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金沢大学国際機構留学生センター
特任助教

伊藤 大将 さん

金沢大学のSGU事業では、日本人学生の海外派遣を推進するともに、より多くの留学生を受入れることにも力を入れています。留学生の日本語教育や短期留学生の受入れを担っている国際機構留学生センターに、2015年4月に着任された伊藤大将(いとうだいすけ)特任助教にお話を伺いました。

 

-ご出身は愛知県なんですね。

はい。大学は地元の南山大学へ行き、英米学科で学びました。約半数の学生が在学中に留学をする学科だったので、入った時から漠然とですが自分も留学に行きたいと思っていました。そして、3年生の時に派遣留学でアメリカ・ニューヨーク州にあるセントローレンス大学へ行き、2学期間(約9ヶ月間)学びました。南山大学では英語を専攻するとともに、ゼミで異文化コミュニケーションを勉強していたので、Kathryn Poethig教授の「Intercultural Communication(異文化コミュニケーション)」という授業を受けたのですが、それがとても面白くて感銘を受けました。それがきっかけで、大学卒業後はアメリカの大学院で社会学を勉強しようと決意しました。

-派遣留学での経験が、その後の進路に大きく影響を与えたんですね。卒業後すぐに大学院に進学されたんですか?

いえ。やはり準備期間が必要だったので、1年間非常勤講師として週2日高校で英語を教えながら、南山大学の社会学の先生のところで、研修生として社会学の勉強をしました。そして、ジェンダーやセクシュアリティーについて学べる大学院に応募し、ジョージア州アトランタにあるジョージア州立大学大学院に進学しました。当初は修士号を取ったら他の大学に行っても良いかなという感じだったのですが、結果的には10年間在籍していました。留学資金を得るために大学の講師やリサーチ・アシスタントとして働きながらだったので長くなってしまいました。周りの先生たちが面白い人たちで、オフィスのドアはいつも開いていて先生とお話ができる環境でしたし、大学院生は教授の同胞とみなされ、ファーストネームで呼び合っていましたし、感謝祭には家に招待してもらっていました。

その後、OPT (Optional Practical Training) ビザという、自分の専門分野に関連する機関で1年間働けるビザを取得し、アトランタにあるアジア系移民の支援をする非営利団体でリサーチ業務に従事しました。次のビザを申請しなければいけない時期になったとき、日本に戻って就職するのも選択肢のひとつかなと思い、いくつかの大学に応募し、金沢大学に採用されました。

-10年ぶりの日本での生活だったのですね。

2015年2月下旬に採用通知をもらってから約2週間で家を引き払い、車を売り、引っ越しの手続きをして、最後はあわただしい帰国でした。アメリカで働くときは、採用されたらたくさんの書類が送られてきて、それらの内容をすべて確認してサインするというのが普通なのに対して、金沢大学から送られてきたのは採用通知1枚だけだったので、自分のポジションが確保されているのかどうか、金沢に来るまで心配でした(笑)。

-金沢大学では国際機構留学生センターで、留学生向けの日本語の授業や、「日本文化・社会学習プログラム」の授業を主に担当されています。今年度から一部の授業でクォーター制が導入されましたが、留学生センターの授業はまだセメスター制ですね。

はい。でも、留学生センターは率先してクォーター制を取り入れるべきだと思います。クォーター制にすることによって、半年~1年の短期留学生を受入れるタイミングが2回から4回に増えるので、留学生にとってはより留学しやすい大学になるのではないでしょうか。クォーター制のメリットを生かすためには、全学で導入を進めることが大切だと思います。

-金沢大学では平成35年度には学士課程の授業の50%、大学院課程の授業の100%を英語で実施することを目標としています。先生が担当されている留学生向けの授業は英語で行っていますか?

基本的に英語で行っていますが、「日本文化・社会学習プログラム」のひとつの授業で、留学生から日本語で授業を受けたいというリクエストがあり、日本語で行ったことがあります。しかし、日常会話は日本語でできる学生でも、日本語で行われる授業を理解したり、自分の意見を言ったりすることは難しいようでした。これは、日本人学生が英語で行われる授業を受ける際にも同じことが言えると思います。その点で、今年度から共通教育の英語カリキュラムが新しくなり、1、2年生のうちにすべての学生が実践的な英語力を身に付けられるカリキュラムになったことはとても良いことですし、もっと英語の授業があっても良いと思います。低学年のうちにきちんと英語力を身に付けることによって、2年生の後半あたりには英語で行われる授業を理解することができるようになるのではないかと思います。

また、教員側としては、英語で授業を行う=日本語で行う授業で話していることをそのまま英訳すれば良い、というわけではありません。英語で行う授業を通じて、学生の英語運用能力を高めるには、アクティブ・ラーニングを取り入れたり、クリティカル・シンキングを意識した授業を行ったりと、教授法も考えなえればいけません。

-本学のSGU事業では日本人学生の海外派遣も推進しています。ずばり、留学はおすすめですか?

もちろんです。できれば、長い期間行ってほしいですね。派遣留学で9ヶ月間アメリカに滞在したときには、自分はすごくたくさんのことを経験し、学んだと思って帰国して、生意気になっていたと思います(笑)。でも、大学院での10年間の滞在から得たものはそれよりも何倍も大きかったし、内容も濃かったです。自分の力で生活をすることで何をどうすれば良いかわかったし、まわりのアメリカ人ともより深い関係を築けました。今思い返せば、1年程度の滞在ではお客様扱いだったと思います。

とは言え、誰しもが長期間の留学に行けるわけではないと思いますし、学生の話を聞いても、海外旅行や1、2週間の短期海外派遣プログラムには興味があっても、それ以上の期間、たとえば派遣留学などになると二の足を踏む学生が多いようです。正直なところ、1、2週間で英語力を飛躍的に伸ばすことは難しいと思うので、短期プログラムに参加する場合は、現地の学生との交流や、現地での自主的な活動など、その土地でないとできないことを経験できるプログラムが良いと思います。語学はいくらでも日本国内で勉強することができますが、現地での交流や体験はその土地に行かなければできません。また、ただ海外に行っただけではあまり意味がないので、プログラムの目的をはっきりさせ、事前研修・プログラム参加・事後研修を通して学修効果を高めていく必要があります。今後は、そのようなことを念頭に置いて、新しい海外派遣プログラムを開発していくことが重要だと思います。

留学生の受入れについても同じことで、金沢大学でしかできないプログラムをつくることが大切だと思います。やはり、立地の面では都市部にある大学の方が留学生にとって魅力的であるということは否めないと思うので、他の大学でやっていないこと、金沢大学でなければできないことを盛り込んだプログラムを作っていかなければいけないと思います。

-最後に学生に向けて、これからグローバル社会で活躍する人材になるために、必要なことは何だと思いますか?

英語ができる人=グローバル人材、という考えは必ずしも正しくありません。実際に、海外で生活したり、ビジネスを行ったりするときに大切なのは、相手のやり方を理解することです。アメリカで必要だったのは交渉力でした。相手と対等に交渉するためには、言いたいことを臆さず言えなければいけないし、言えなかったら言えない人が損をするだけで誰も助けてくれません。私も、10年間アメリカにいて、すぐに身に付いたわけではありませんが、アメリカ人の友人の行動から学んだりして、徐々に交渉力を身に付けられたと思います。

また、語学には向き不向きがあるので誰しもが高い英語力を身に付けられるわけではないし、誰しもが留学に行けるわけではありません。だからと言って、日本国内だけで完結して満足してしまうのではなく、直接ではなく誰かの力を借りてでも自分から海外に発信しようとする気概が必要だと思います。

-英語ができるからと言ってそれだけでグローバル社会で活躍できるわけではないし、英語ができないからと言ってグローバルに活躍する道を閉ざしてはいけない、ということですね。今日は興味深いお話をいろいろと聞かせていただき、ありがとうございました!

(2016年8月取材)

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