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日本人学生 × 金沢大SGU

人間としての自己を磨き,専門人としての自己を磨き,
グローバル社会で活躍する「金沢大学ブランド」の人材へ。

*文化資源マネージャー養成プログラム*
人間社会環境研究科 博士前期課程

棚田 早紀 さん

ブラインドを閉め、分厚い本に目を通して夜を更かす。大学院生にはこんな古典的なイメージが付き物ですが、金沢大学の国際教育の場はその部屋の窓の向こうへと開かれています。

21世紀、誰もが多様性に出会います。文化資源マネージャー養成プログラムは、文化遺産に対する見方を所有されるものから地球規模の資源へと転換し、文化多様性の持続のあり方を探究します。人類学、美術史、博物館学の座学に加え、実習でアジア各地に足を運んできました。年齢、国籍、宗教や婚姻状況の様々な学生が集まり、日々の生活でグローバル感覚を豊かにしています。

私の場合、レジデント・アドバイザーとしての経験が多文化環境で意思疎通に努める根気をくれました。2年間半、学内の学生・留学生宿舎「先魁」で留学生と共同生活しました。口に出さない「当たり前」が文化間で異なり、ともすると摩擦が生じやすい状況でした。小さなことでは、消灯時間や掃除当番です。おかげで、すぐに自分の常識を疑ってハウスメイトに了解をとる癖がつきました。「時間通りって、どれほどの許容幅があるの?」とか「この台所、十分きれい?」とかです。見過ごしがちな認識差は日が経つにつれて浮き上がり、相異を認める挑戦のみならず、共通の道徳観を大事に行動する喜びを教わりました。

大学の国際環境が糧となり、海外調査での円滑な意志伝達に結びつきました。人類学のフィールドワークで東インドネシアの村に赴き、3ヶ月間、出産儀礼を調べていた時のことです。出産に立ち会うため、医療機関に正式に見学を請う一方、近所の妊婦と毎日お喋りして信頼を得ました。幸運にも、自分と背景の異なる人と日常的に行動し意思を交わす大学での体験が、現地での関係構築の力になったのです。

普段は表に出ませんが、個人や集団の論理を見据え、思いを伝える熱心さが交流を意義深いものにしてくれると思います。日光を浴びるためには、自分のブラインドを開かなければなりません。大学の組織的多様性が広がり続けるよう願います。

棚田早紀_フィールドワーク

フィールドワークを行った東インドネシアの村で

 

★「文化資源マネージャー養成プログラム」について、詳細はこちら

(掲載日:2015年10月16日)

 

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